正午が近づく在宅勤務の書斎.
窓から差す冷たい日光が,遠くに霞む車の走行音と共に響いてやってくる.
どうやら,結婚したてで無職だった頃の,
あるいは高校を中退してふらふらしていた平日の,
あの白く優しい光によく似ていた.
何もないところから,私は何回かスタートし直した.
その始まりを連想させるのが,この白い光だ.
大きな隣駅の近くの住宅街を歩いたこと,
海浜のショッピングモールを散策したこと,
平日の昼間の白い光は,やめた後の始まりを連想させる.
それは希望である.
柔軟で軽快で,白紙の人生.
私は今も,職場をやめようと空想する.
しかし,実行しない.条件が理想的だと思う面があるからだ.
今より良い職場はない.あるとすれば自分で作る事業のような仕事だ.
それを実行するには,何か足りない.
それが何かを突き詰めて検討もしていない.
今は今で,満足しているので,いいじゃないか.
そう思っている.
本日の積読
「Quitting」ジュリア・ケラー著