近所の緑地を散歩していて,
犬を連れている老女同士が会話している姿を見て,
なんて賢い人たちだろうと思った.
連れ添って歩いている老夫婦を見ても同感だった.
煙草をふかし,酎ハイボールを飲んだくれて歩いている男も,
現役時代は見るべき仕事をしていたのだろう.
何かの不運で落ち込んだ境遇に生きているのかもしれない.
歩いている人すべてが自分より優れた人物のように映った.
そのとき,私は謙虚になり,感謝がわき,小さく弱いものとして自分を認めた.
すると,心の内側から力がわいてきた.
強くなろうという力ではなく,立派に生きようとするものでもなく,
ただ生きよう,生き続けようと思わせる力だった.
こうべを垂れて緑地を抜けた.そのままずっとこうべを垂れて生きたいと思った.
本日の積読
「エフェソ信徒への手紙」